ダイヤモンドの選び方
【ダイヤモンドの「4C」って何?】
ダイヤモンドには、「4C」というグレードがついているものがあります。
「4C」とは、ダイヤモンドの品質の評価基準のこと。カラット(Carat)、カラー(Color)、クラリティ(Clarity)、カット(Cut)。この4つのアルファベットの頭文字の「C」をとって「4C」と呼ばれています。
「4C」の組み合わせにより品質評価がされ、ダイヤモンドを客観的に見るときの目安になります。 ちなみに「4C」のついたダイヤモンドは、そのグレードを裏付ける第三者機関のグレーディング・レポートがついてきます。
各「4C」について見ていきましょう。
【Carat(カラット):重さのこと】
Carat(カラット)とは重さのこと。大きさではないです。1カラット=0.2グラムになります。
宝石は、基本的にカラットを使用します。なお、ラウンド・ブリリアント・カットの直径だと、1カラット=6.5ミリとなります。(0.5カラット=5.1ミリ、0.25カラット=4.1ミリ)
なぜ、グラムではなくカラットを使うのでしょう?
これは、古代インドの時代、ダイヤモンドの軽量の時、カロブ樹の実(イナゴ豆)を分銅として使った名残からです。イナゴ豆一つが1カラットに相当し、古代ギリシア語で イナゴ豆は「ケラシオン」「ケラシオン」の語意が変化して「 カラット」 となったようです。つまり1イナゴ豆=1カラットなのです。
【Color(カラー):色のこと】
無色透明のDカラーからZまで分類されます。Color(カラー)とは、ダイヤモンドの色のこと。最高ランクはDカラー。無色透明の色です。そこから、E、F、G、H~Zと分類され、だんだんと黄色の色味が強くなります。
その石だけを目で見て「これはDカラー!これはFカラー!」と当てるのは難しいことです。他の石と比べることなく、色を判断するのは大変なこと。鑑別機関で色を評価する際は、基準となる石(マスターストーン)というD、E、F、と各々のダイヤモンドがあり、それと比べることで色の判断ができます。
色を見るときは、午前中の北からの自然光で見るのがいいとされていますが、グレード評価するときは、条件をその光に合わせた人口光源のもとで評価しています。
【Clarity(クラリティ):インクルージョン(内包物)などの度合いのこと】
Clarity(クラリティ)は、ダイヤモンドの透明度のこと。インクルージョン(内包物)と外キズに分けて、その度合いを等級付けします。
具体的には、インクルージョン(内包物)の有無、大きさ、位置、数、性質を総合的に判断して評価します。10倍率の拡大鏡で見て、FlawlessからI3まで11段階に等級分けされます。
FL、IF、VVS1、VVS2、VS1、VS2、S I1、SI2、I1、I2、I3
FL(フローレス:石の内部も外部も欠点がない)は、実際にはほとんどないです。IF(インターナル・フローレス:石の内部に欠点がない)は探せばありますが、希少性は高いです。ダイヤモンドに、インクルージョンが少なければ少ないほど等級がよくなります。婚約指輪では、一般的にVSクラス以上のものがオススメだと言われています。
注意したいのは、同じグレードでもインクルージョンの種類、大きさ、位置、数などが全然違うということ。インクルージョンの種類は、黒い粒のもの、白いキズのようなもの、点のようなもの、全体にボヤッとしたものなどといろいろな種類があります。インクルージョンの位置も、ダイヤモンドの中心に位置するものもあれば、ダイヤモンドの外側にあるものもあります。同じグレードでも、かなり差があるので注意が必要です。
【Cut(カット):カットの美しさのレベルのこと】
Cut(カット)は、人間の手が加えられた唯一の要素になります。
適切なカットを施すことによって、ダイヤモンドは美しく輝くためとても重要な要素です。
カットのレベルを5段階で評価します。
EXCELLENT
VERY GOOD
GOOD
FAIR
POOR
ラウンド・ブリリアント・カット以外のカットには、カットグレードは適用されません。
【実物のダイヤモンドを見る前に】
実物のダイヤモンドを見る前には次のことを確かめましょう。
(1)なるべく自然光が差し込むところで見る。
自然の光に近いライトのもとで見るか、自然光が差し込むところで見るのがおすすめです。暗くて強いライトが当たるようなところはおすすめしません。
(2)ダイヤモンド自体が汚れていないこと。
ダイヤモンドは油になじむ性質があります。ダイヤモンドが油や皮脂で汚れていたら
その美しさを見ることができません。汚れていたら、ジュエリークロスで拭いたり洗浄したりします。
【実物のダイヤモンドを見る】
「4C」の知識を頭に入れて、実物のダイヤモンドを見てみましょう。
お店では、ご自身の好みや予算があると思いますので、どんなダイヤモンドが候補になるのかお店のスタッフと相談してから見るのがいいでしょう。今回は、ケースに入ったダイヤモンドルース(裸石)をみる場合で考えてみます。
(1)ぱっと見た印象で判断する。
最初はあまりピンとこないかもしれませんが、しばらくじっと見ているとハッとくる美しさを感じることがあるでしょう。
(2)動かしてみて輝きを確かめる。
これによりダイヤモンドの暗い部分と明るい部分が万華鏡のように映し出されます。またダイヤモンドの端から出る虹色の美しさも引き出されます。このモザイク模様の美しさや、虹色の美しさを判断します。
また、ダイヤモンドルースをケースから出して、指と指の間にダイヤモンドを乗っけてみることも一つの方法です。
これで、ダイヤモンドと素肌が触れたときの感覚も確かめることができますし、リングにしたときの指との相性も確認することができます。
【「4C」はあくまで判断材料として、
最終的には自分が美しいと思ったものを選ぶ】
ダイヤモンドをぱっと見る。動かして輝きを確かめて見てどう感じましたか?長年お客様の接客をしていると、「4C」にこだわりすぎるお客様がいらっしゃいます。
「4C」は、ダイヤモンドを選ぶときの目安にはなりますが、あくまで品質評価の目安、つまり希少性の評価でしかありません。人間でいうと、身長、体重といったところ。ダイヤモンドは30億年前から10億年前に、「地球が生み出した奇跡の結晶」ふたつとして同じものはありません。ダイヤモンドとの出会いは、いってみれば人との出会いみたいなものです。そして、美しいと思う基準は人によって違いとても主観的なものです。
結論としては、実物を自分の目でみて美しい!と思うものを選ぶのがいいかと思います。
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