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【ジュエリーコラム】知って納得!8月の誕生石スピネル

 

【8月の新誕生石となったスピネルってどんな石?】

 

2021年12月に日本の誕生石が改定され、8月の新誕生石として「スピネル」が追加されました。この「スピネル」とはどんな石なんでしょうか?

 

「スピネル」には、幅広い色相があり、レッド、ピンク、パープル、ブルー、グリーン、イエロー、バイオレット、ブラックなどがあります。全ての色合いが宝飾品として使用されます。

 

多くの「スピネル」の原石は、ダイヤモンドと同じ正八面体をしています。正八面体とは、ピラミッドを上下に重ね合わせたような形です。「スピネル」の原石の形が「トゲ(棘)」に似ていることから、当初はラテン語で「トゲ(棘)」を意味する「スピナ」から名付けられました。その後、「スピナ」の読み方が変わってきて「スピネル」と呼ばれるようになりました。つまり、「トゲ(棘)」=「スピネル」なんですね。

 

 

【英国王室の王冠の「黒太子のルビー」は「レッドスピネル」だった?】

 

レッドスピネルは、写真の通り赤色の綺麗な石。ルビーとよく間違えられていました。有名な話としては、英国王室の王冠にセットされている「黒太子のルビー」は、長い間ルビーだと信じられていたのですが、実はレッドスピネルだったのです。

 

「黒太子」とは、14世紀の初めに活躍したエドワード皇太子のこと。フランスとの100年戦争の時に、黒い甲冑に身を包んで勇猛果敢に活躍したことから、「黒太子」と呼ばれていました。「黒太子」ことエドワード皇太子が、1367年にスペインのカスティーリャ王を助けたことで、王の所有していた石をプレゼントされました。この石は317.4ctもある大きな石で「黒太子のルビー」と呼ばれました。のちに英国王室の王冠にセットされました。当時は、ルビーもスピネルは色も似ており、産出される場所も同じで区別が曖昧だったこと、鉱物学が未発達であったこともあり、ルビーだと思われていました。18世紀に、レッドスピネルだということが判明したのです。「黒太子のレッドスピネル」はイギリスのロンドン塔に展示してあるので、ロンドン観光の際に立ち寄ってみてはいかがでしょうか?

 

 

 

【スピネル情報】

 

硬度:7.5ー8.0
原産地:ミャンマー、スリランカ、タンザニア、マダガスカル、ベトナム、パキスタンなど

 

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